天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「無理だな。お前は真面目だし」
「ええ。私は真面目で仕事はきちんとするんです」
やはり朱雀には頼ってしまう。
「私が一心と気鋭の相手をします。紅蓮様は天帝を」
「強がるな朱雀」
それはまずい。朱雀は強くも神籍は持ち合わせていない。白豹二人は無理がある。
そう思った時、また隣から声がした。
「では私が気鋭のお相手を」
「香林…お前まで」
「朱雀軍があまりにも優秀なので退屈していたんです」
「まったく香林まで強がって…だが助かる」
これで心置きなく月影に集中できる。
そして魔界の大門前で激しいぶつかり合いが始まったのだった。