天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

戦場の天女

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【魔界】


魔界へと向かう天界の兵士達。


先頭で率いるのは月影と白蘭だ。


月影が用意した黒い衣に身を包み戦場へ向かう様は天女とはかけ離れていた。


…複雑な気持ちだわ。かつて住んだ魔宮を攻めるなんて。でもやめる気はしない。


天宮にいた時には天女の慈悲の気持ちがあったからか魔都を攻めたくないと思っていた。


でも、魔宮が近くなるにつれて少しずつ慈悲の心は消えていく。


私の心が鬼神寄りになっているのかしら。


冷静であるのに沸々と力がこみ上げてくる。


「白蘭。大丈夫か?」


その様子に月影が声をかけてくる。


「ええ。平気よ」

「そなたは魔帝に集中すればよい。その他は何も考えるな」

「ええ…」


そうよ…私は魔帝を殺すんだもの。


魔宮が見えてきた時、私は居ても立っても居られず魔帝目指して翼を動かした。



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