天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
人間界はちょうど昼前だ。天界でずいぶん時間がかかってしまった。
白蘭は私を見てどんな顔をするだろうか?驚くだろうか?
人間界にある白蘭の家につく。
何も変わりはなく、そこだけ時が止まっているかのようだ。
様々な思いの中、一歩踏み出した時扉があき家から白蘭が出てきた。
「…白蘭っ」
名を呼び駆け寄って白蘭の両の手を握った。
白蘭は少し驚いた後に相変わらず私に笑顔を向けた。
「戻った。戻ってきたぞ」
「おかえりなさい。月影なんだか雰囲気が変わった?」
「そうか?そなたは何も変わっていないな」
「そうかしら?」
白蘭の笑顔が張り詰めていた月影の心を溶かした。