天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「月影…」
怒りの鳳凰がゆらりと立ち上がり手負いの龍を睨んだ。
「よくも…殺したな」
「紅蓮…これは戦だ。殺すのは当然だろう?」
その言葉に紅蓮の周りに猛々しい炎が上がり、その輪は大きくなると月影と紅蓮を囲んだ。
息もしずらいほどの炎の強さに白蘭は顔をしかめた。
月影が水系術を使い炎を消化しようとするが勢いが強くすぐに消える。
水系術が効かないなんて。
どうしよう!月影は怪我をしているのに!
月影を助けに行こうと動いたが二人の術の波動に押され上手く近づけない。
熱い…目が霞む。炎で二人の姿が見えない。
どうなっているの?
玲心のためにかなりの法力を消費してしまった。
先ほどの魔帝と戦ったような力は出せない。