天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「薬師神の見立てだと目覚めるのは厳しいばかりか…。もって後ひと月の命だそうです」
「ひと月…」
朱雀が顔を覆い嘆いた。
「魔界はもう終わりです…」
魔宮は壊滅的で魔帝は死に現魔帝の紅蓮は目覚めず、後ひと月の命…。
嘆くのも無理はない。
しかし…。
「朱雀しっかりなさい。方法を考えるのです!」
「…方法?」
「探す前から諦めてはなりません。まずは白蘭の過ちから正さなくては…」
子供が過ちを犯した。その過ちは親である私が叱らねば…。
二千年も育ててきた紅蓮を傷つけられて、さすがにこのまま黙って許すほど雪梨のしつけは甘くないのだ。
「朱雀。少しの間。魔界を頼みますよ」
「侍女長様。どこへ?」
「我が子の過ちを正しに行くのです」