天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
声をかけるとすぐに鈴蘭の庭からピョンピョンと兎が出てきた。
「白蘭!突然、いなくなったから驚いたぞ!」
「ごめんね。兎月」
「色々と話は聞いているぞ。大丈夫か?」
「ええ…気晴らしに歩いていたの。兎月も付き合ってくれない?」
「そうだな。だが、兎月は天宮には近づきたくない!…都に行くのはどうだ?」
「都?」
「そうだ!美味しい食べ物がたくさんあるぞ!食事をすれば元気になる!」
兎が励まそうとピョンピョンとまた跳ねる。
天界の都…そういえば行ったことがなかったわ。
「そうね。都にいきましょう」
都にでるために大門に向かった。
しかし大門の兵に止められる。
「白蘭様。お待ちください」
「何事です?」
「それが…侵入者が」
「侵入者?」