天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
でも天帝は天后は…氷輪は?
私は確かに何も知らない。
「兎月…月影はどうして天帝になったの?」
「…」
兎月は何も言わなかった。
「ねえ。兎月、どうやって天帝になったの?」
「…」
以前は天帝になりたいと思うような人ではなかった。
何も言わない兎に白蘭はもう一度頼んだ。
「兎月お願いよ。教えて…お願い」
兎月はボソボソと話し始めた。天后の罪が暴かれ斬首になったこと天帝は政務が出来ず月影が謀反で天帝となったことなどを話した。
天后が斬首になったのはわかる。謀反が起きた理由もわかる。
でも…。
「じゃあ…氷輪は?」
氷輪は何もしていない。
「…」
兎は黙った