天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

正される過ち

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【魔界】


紅蓮は一人深い眠りについていた。


夢の中。いつものように大好きな虹彩樹の庭で昼寝をしているのだ。


父上も母上もいて、新月には友と酒を飲む、そんな毎日だ。


翼で飛びたくなったら岩場に行けばいい。屋台を見たくなったら魔都を散策すればいい。


夢の中は何をするのも自由だった。


面倒な玲心は現れないし、掟を破っても雪梨はうるさく言わない。


戦をさぼっても朱雀は怒らないし、政務の途中には香林が茶を淹れてくれる。


何と良い世界なんだろう。


だが、何かが足りない。心にまるで穴が開いたみたいだ。


重要な何かを忘れているような。


何故かはわからない。



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