天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「紅蓮っ」
部屋にいた雪梨・朱雀・香林が振り向いた。
「紅蓮…」
寝床につく紅蓮に近づき呼びかける。
その顔は青白く生気を失っていた。死期が近い。三日しかない。
手を握るとその冷たさに驚く。
「紅蓮…私がいけなかったの。私があなたを信じてあげられなかったから…」
大粒の涙が零れ落ち布団を濡らした。
「あなたはずっと私を愛していたのに…私は…あなたを殺したのっ…」
「白蘭…過ちに気づいたのですね」
その様子に雪梨が白蘭を抱きしめ、朱雀は拳を握りしめ、香林は静かに見守った。
「必ず助けるわ。紅蓮」
しばらく涙した後に白蘭はスクッと立ち上がった。
宮を出ようとする白蘭を朱雀が引き留めた。