天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「お願いがあってきたの!」
「…」
羅刹は全てを知っているようだった。
「紅蓮を助けてほしいの!私が怪我をさせたの」
「魔界の鳳凰か…」
羅刹は気が進まないかのように、ため息をついた。
「あの鳳凰は死にかけだ…並みの者では契約はできない」
「私には天女の血が流れている!そんな私なら契約できるでしょう?対価なら何でも払うわ」
「白蘭…自分が何を言っているのかわかっているの?死にゆく者を生かすのよ?いくら半分天女の身でも対価は貰わないといけない…対価は重い…」
私は羅刹の顔をしっかり見て言った。
「構わないわ」
もう覚悟はできている。
私の何をとられても紅蓮が生きられるのならそれでいい。
「白蘭…」
「お願い羅刹」
「これも運命か…いいわ。契約しましょう」