天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
そして羅刹の対価を私は待った。
「対価は…」
「対価は?」
「あなたの命よ」
「私の命?」
覚悟はできていた。私の命で紅蓮が救える。
「いいわ」
「でも白蘭は半分は天女。寿命は一年残してあげる」
「ありがとう」
白蘭はニコリと笑った。
「ああ。よく似ている。天女様に…」
「そう?」
「似ているとも。笑う所は鬼神に純白の羽は…」
私の羽を見て悲しい顔をした。そして法術を使うと私の羽を純白にした。
「治った?」
「いや…治ってはいない。色を変えただけ。天女の病は私には治せないの」
「それでも嬉しいわ」