天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


そして羅刹の対価を私は待った。


「対価は…」

「対価は?」

「あなたの命よ」

「私の命?」


覚悟はできていた。私の命で紅蓮が救える。


「いいわ」

「でも白蘭は半分は天女。寿命は一年残してあげる」

「ありがとう」


白蘭はニコリと笑った。


「ああ。よく似ている。天女様に…」

「そう?」

「似ているとも。笑う所は鬼神に純白の羽は…」


私の羽を見て悲しい顔をした。そして法術を使うと私の羽を純白にした。


「治った?」

「いや…治ってはいない。色を変えただけ。天女の病は私には治せないの」

「それでも嬉しいわ」


< 188 / 258 >

この作品をシェア

pagetop