天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
第三章

失った愛

---------------------------------------
【天界】


戦の後処理。雪梨の大門での騒動。氷輪の牢からの解放。


色々な事が重なり月影は政務に追われる毎日を過ごしていた。


天帝宮で政務をこなす。


戦前はよく白蘭がここにきて書を読んでいた。だが、今は氷輪につきっきりでここにも来なくなってしまった。


まだ政務は終わりそうもなく、一息つこうと月影は天帝宮を歩いた。


白蘭との婚姻はもうすぐだ。


用意してある婚姻衣装を月影は撫でた。


青い生地に銀色の糸で龍の柄が繊細に紡がれている。


これを着た白蘭はどれほど美しいことだろう。


やっと白蘭が手に入る。邪魔な者はすべて排除できた。あの紅蓮さえも白蘭が刺しもうすぐ死ぬことだろう。


そのことに月影は胸を高鳴らせた。




< 191 / 258 >

この作品をシェア

pagetop