天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
白蘭を手に入れるためだけに今までやってきた。
何も持たない第二皇子から天帝まで上り詰めた。
常に愛しい人だけが手に入らなかったが、もうすぐそれも叶うと思うと感無量だ。
白蘭は私のことを心配し笑いかけてくれる。想いが通じ合えるのも、すぐそこかもしれない。
そんな月影に報告が入った。気鋭がこちらに来て言った。
「天帝陛下。報告が」
「なんだ?」
「氷輪が少々騒ぎを…捕らえましたがいかがしますか?」
「…牢にぶち込め」
氷輪…やはり騒ぎを起こしたか…。
本当はすぐに殺すべきだが白蘭を失望させたくはない。
牢に入れたところで、また白蘭が出すかもしれない…。
頭を悩ませた月影はとりあえず白蘭の出方を見ることにした。
だが、二日経っても一考に白蘭は牢に来ないようだった。
私の気持ちを察してくれているのか?