天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


期待したがそうでもなさそうだ。

妙に思った月影が気鋭に白蘭を探すように命じた。


「天帝陛下!白蘭様が見当たりません」

「なんだと?」

「魔界へ行ったという情報が…」

「魔界へ?」


紅蓮に会いに行ったのか?

やりかけの政務を放って月影は白蘭を探しに向かおうと立ち上がった。

その時、別の兵から報告が上がった。


「陛下。たった今、白蘭様が天界に到着し皇子宮にいらっしゃるとのことです」

「様子は?」

「足元がおぼつかないような様子でしたが外傷はありません」


ひとまず怪我無く戻ってきたことに安心した。


…何があったのか確認しないといけないな


「気鋭。皇子宮に行ってくる」

「お供しましょうか?」

「いや。誰もついてくるな。二人で話がしたい」


白蘭、何を考えているんだ?


月影は不安に駆られながら皇子宮へ急いだ。





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