天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「白蘭」
「月影…」
皇子宮に入ってきたのは月影だ。
月影は寝床に座り込んでいる私に近づくとすぐに異変に気付いた。
「何をしてきたんだ…」
天帝でありながら膝をつくと私と目線の高さを同じにし真剣に問う。
「なぜ、そんなに力が弱まっている…元気だっただろう?突然、なぜ…?」
月影が脈を見ようと手を取ったが白蘭はそれを拒否した。
「触らないで」
拒否する白蘭の腕を無理やり取ると月影は脈を診てハッとした。
命が減っているのを知った月影は白蘭に聞く。
「なぜだ?」
「…」
「なぜ、このようなことになったのだ?まさか、紅蓮を助けたのか?その命で」
「…」
「どうしてだ?私と婚姻すると言っただろう?もうすぐなのに…」
「月影は私を愛しているから婚姻したいの?」
「当たり前だ」