天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「あなたの計画通り、私が紅蓮を刺し紅蓮は私を恨んでいる。月影…これで満足?あなたの計画通りに私は独りになったわ。あなたは何も持っていなかった…だから天帝の座が欲しかった。そうよね?」
「違う!」
白蘭の言葉が何度も鋭い刃となり月影の心を刺した。
月影も白蘭同様に心を痛め涙を流した。
「天帝の座など、どうでもいい。私が欲しかったのは白蘭だ。ずっと白蘭を自分のものにしたかった。愛しているから!その為に白蘭と共にいるために天帝の座が必要だった」
「…私のために?私のために多くの人を殺したの?私のために愛する紅蓮を殺させたと?」
「白蘭」
月影は白蘭を抱きしめ想いを伝える。
「白蘭、私は本当にそなたを愛しているんだ。初めて共に話をして、食事をし、笑いあえたのはそなただ。他の者はなんでも手放せる。でも白蘭だけは駄目だ。そなたがいないと私は生きられない」
しかし、白蘭にその想いは通じなかった。
「あなたの愛は執着よ。あなたは何も持っていなかった。だから初めて会った私に執着したのよ…私が愛しているのは紅蓮だけ。月影とは一緒にはなれない」
だって私は紅蓮の妻だもの。