天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「私のためだというのなら、私を愛しているのなら、願いを聞いて」
「それは…できない。そなたを離すことだけは出来ないっ」
「月影っ。何を…」
突然、顔の向きを変えられ彼の顔が視界を埋める。
それと同時に無理やり口づけられる。
「んっ…や」
水のような穏やかな月影とは違い濁流のように、のみ込むような口づけだった。
抵抗すればするほど、深くなりのみ込まれる。
月影の唇を噛むと血の味が口に広がった。
「はぁっ…はぁっ…」
肩で息をしながら白蘭は月影をにらみつける。
一方、彼は自身の唇についた血を手で拭うと熱の籠った龍の瞳でこちらを見た。
そしてすぐに覆いかぶさると、また唇を奪った。
「やっ…だ。んんっ…」
「っ…」
寝台に体を倒され衣の腰紐をするりと解かれる。