天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「すごい!」
「これが法術だ」
「なんでもできるのね!もしかして魔界の皇太子っていうのも本当だったの?」
「おい。嘘だと思ってたのか?」
いつの日か薬草を摘みながら紅蓮は自分が皇太子だと話をしていたのだ。
「からかっているんだと思っていた」
「…酷いな」
言いながら再び法術を使う。
「それは?」
「結界を張った。これで結界内は安全だ」
そういえば以前、月影もこのようなことをしていた。
あの頃はわからなかったが、結界を張ってくれていたのね。
「さあ。家に入ろう」
「ええ」