天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


「白蘭やったぞ!」

「何が!?」

「新しい術を習得した!」

「え?」


そういい走ってきたのは小さな鼠。


「もしかして…兎月?」

「そうだ!」


鼠は元気に答えた。


「でもなんで鼠?新しい術って?」

「これだ!」


鼠は目の前で、蛇になり、今度は猫になった。


「もしかして変身術?」

「そうだ!」


炎狐族の秘術、巧偽術でも一生に一度しか使えないのに…まさかそれを上回る変身術を身に着けるなんて。


「でもどうして兎月が変身術を?」

「わからない。結界の力を吸い取ったのか、長年世話した鈴蘭のおかげか。それとも兎月は天女様の兎だから天女様が授けてくれたのかも!」


…母上が…?


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