天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「とにかく兎月は強くなったのだ」
「そうね。兎月は努力家だものね」
兎に白蘭は微笑んだ。
「これからどうする?」
「まずはここを出て、氷輪を助けた後に三人で人間界で暮らす。人間界なら月影も手出ししないはずよ…どう?」
「そうだな!…でも」
「何か不満でもあるの?」
嬉しそうに言った後に兎月はすぐに顔を曇らせた。訳を聞こうとする白蘭にしばらく言うか迷った後、兎月は意見を口にした。
「白蘭は…魔界の鳳凰と一緒にいろ」
「え?」
「白蘭と共に過ごしてわかったのだ。白蘭は紅蓮といるのが一番幸せだ。兎月はどれだけ白蘭が鳳凰を好きか知っている。もう離れない方がいい」
「兎月…」
「飽きるまで側にいて、飽きたら兎月のところに来ればいい。その時はまた兎月の毛皮を撫でさせてやる」
兎月の言う通りだ。私の寿命は残り少ない…憎まれても紅蓮の側にいたい。
「わかったな?」
「うん。ありがとう。兎月」
それから二人で結界を解く方法を考えた。