天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



残り少ない法術を使って身を隠すと魔宮に何とか侵入できた。

戦があったのが嘘のように魔宮は以前と変わらずに美しく保たれていた。

それにしても今日は魔宮が騒がしい。

人の出入りが激しく見たこともないような神がいるのだ。


まあ、そのおかげで魔宮に侵入できたんだけれども。


不思議に思い一人の神の跡をつけた。

着いたのは、まるで朝議を行うような大きさの宮だった。

中には大勢の神達が揃っている。


…何か始まるのかしら。こんなに神が集まるなんて。


バレたら一大事だ。

白蘭は宮の外に隠れ中の様子をうかがった。

しばらくすると宮にやってきたのは朱雀だ。

朱雀は何やら言葉を掛け神達が席につき静まり返った。


「新魔帝陛下にご挨拶を!」


朱雀が大きな声で叫ぶと参列した神も立ち上がり言葉をつづけた。


「「「新魔帝陛下にご挨拶を」」」


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