天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
紅蓮を見守るにはどこにいけばいいのかと魔宮をさまよう。
でも紅蓮はもう魔帝になったのだし…私が近づけるようなところに現れてくれるかしら。
「あれ…?」
突然、術が解けた。
こんなに早く法術が解けるなんて思ってもみなかった。
しかも、今の私は顔も真の姿も隠している。どう見ても侵入者だ。
「侵入者だ!捕まえろ」
白蘭はすぐに衛兵に見つかり追われる羽目になった。
どこに逃げようか迷った末、やはりここに来てしまった。
虹彩樹の庭だ。
ここは結界があるから衛兵は入ってこられない。
紅蓮も今は来ないし、落ち着いたら出よう。
乱れた呼吸を整える。
こんなに疲れるなんて。法術はまともに使えないし、飛べる以外はまるで人間と同じね。