天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

愛している

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【魔界】


魔帝即位の儀の途中に白蘭が見えた気がして目を疑った。


両目が揃ったのに幻覚をみるとは…。


自分でも白蘭が恋しすぎて呆れるほどだ。


氷輪を馬鹿だと何度も言ったが、私も白蘭の事に関しては相当の馬鹿なようだ。


戦が終わったばかりなので即位の儀は簡略化したものにした。


神々に挨拶し魔帝宮に行こうとした時、廊下で衛兵を見かけ声をかける。


「何かあったのか?」

「紅蓮様!あっ、いえ魔帝陛下!」

「どちらでもよい。それで?」

「侵入者のようです!」

「侵入者?」

「はいっ。ですが足は遅いのですぐ見つかるかと!」

「そうか…」


なら、問題ないな。

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