天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
侍女である香林まであの戦にはいたのね。
女の身でありながら傷跡が残ってしまうなんて…。
心配すると香林はクスッと笑って言った。
「でも、嫁の貰い手は見つかっているから安心して」
「え?」
すると私から離れて香林は朱雀の腕に自分の腕を絡めた。
「ええ!」
そういう仲だったの!?
「最近、承諾してもらえた…」
真面目な朱雀は照れ、固まりながら白蘭に言った。
「もっと早く教えなさいよ!でも良かった。香林の事、幸せにしてあげるのよ」
「わかった」
四人で会話を楽しんでいると後ろから腕が回され、白蘭の体を捕らえる。
そして不機嫌そうな声が。
「はやく返してくれないか。二人の時間を」
「ちょっと紅蓮」
朱雀がため息をつき、香林が笑い、雪梨様が大人な対応で三人は下がった。