天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


初めは軽く口づけるそれも段々と深まる。

紅蓮は白蘭を寝台に倒すと唇を離し自身の上着を脱いだ。

魔帝の豪華な衣が床に乱雑に置かれる。

そして肌着の腰紐に手を当て引く。すると鍛え上げられた胸板が目の前に広がった。

見慣れているはずなのに、ドキドキと鼓動が鳴り響く。

目を逸らそうと思っても、その容姿の美しさにとらわれる。

簪を抜き取り放ると黒い長い髪が白蘭の肌をくすぐった。

紅蓮は自身の黒髪を背に追いやり、妖艶に微笑み覆いかぶさる。


「ちょっ。ちょっと待って」

「なぜだ?」


なぜって…。いまが何時だと思っているのよ。


「まだ、明るい…」


と言った瞬間、部屋中の明かりが一瞬で消える。


「これでいいか?」


紅蓮の顔が迫る。


「ちょっ」

「まだ何か?」

「外に聞こえる…かも」

「ん。それは困る」


そしてまた紅蓮が手をかざすと魔帝宮が結界に覆われた。


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