天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「人間界で約束しただろう?赤い婚姻衣装で歴史に残るような派手な婚姻にしようと」
「本当に?」
「本当だ」
紅蓮の予想通り白蘭は花が咲いたように笑った。
魔帝と天女の婚姻はすぐに魔界中に知れ渡った。
天女の婚姻は歴史上で初めて行われることにより皆が注目した。
紅蓮は伝達鳥で魔界中の神達を魔宮に招待し、白蘭は香林や雪梨と共に婚姻衣装を決める。
皆の祝福に包まれる中、その日はやってきた。
「紅蓮様。すごい人ですよ」
「当たり前だろう。魔帝と天女の婚姻だぞ」
朱雀が婚姻衣装に着替える紅蓮に声をかける。
白蘭が選んだ赤い衣に鳳凰の柄の婚姻衣装に身を包み髪を結う。簪を挿すとあっという間に婿の姿になった。
「紅蓮様…。めちゃくちゃ格好いいです。男の私でも惚れてしまいそうなくらいです」
「やめろ。気持ち悪い」
朱雀と共に先に会場に行くと、魔帝に気づいた神々が一斉に跪いて挨拶した。
「「「魔帝陛下にご挨拶を」」」
「良い。楽にせよ」