天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


「今ここに魔帝として誓う!私は生涯、白蘭だけを正室にし見つめ愛することを!」


宣言すると周りの神達が歓声をあげ祝福する。

雪梨も香林も朱雀も二人を見て涙を流していた。

特に雪梨はいつもの冷静さを捨て号泣し侍女達に慰められていた。

婚姻の儀が終わり、それからは三日三晩、宴で騒いだ。

私は白蘭を密かに連れ出す。


「紅蓮、どうしたの?」

「来てくれっ」

「ふふっ。何よ、そんなにはしゃいで」


連れてきたのは虹彩樹の庭。

何も聞かずに笑いながら白蘭はついてくる。


「虹彩樹の庭?」

「そなたとここでしたいことがある」

「何?また口づけしたいだなんて言わないわよね」

「お望みならするぞ?」

「まったく…」


呆れたという風に笑う白蘭に紅蓮は灯篭を差し出した。



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