天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
しかし幸せな時はそう長くは続かなかった。
いつも通り朝議を行っていると一通の戦報が届いた。
月影がついに動き出したのだ。
名目としては天界から天女を奪ったとして戦を起こすというのだ。
「魔帝も魔后も天帝に殺されました!黙っておけません!」
「民も皆、戦の準備は出来ております」
「魔帝陛下!ご判断を」
戦に反対する者はいなかった。
先の魔帝を慕っていた者は多く、その魔帝を殺されたとあらば魔界の者は黙ってはいられない。
紅蓮も父と母を殺された恨みはあった。
それにこのまま傍観するわけにもいかない。
「迎え撃つ!戦の準備をせよ!!」
すぐに戦の準備が始まった。
朱雀は新しい戦神となり、朱雀軍が先陣をきる。
出兵願望のある民は多く準備は順調に着々と行われた。