天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
気鋭は白蘭の純白の翼を見るとサッと礼を取った。
「天に感謝を!天女に慈悲あれ!」
それを聞いた周りの者が大きくざわついた。
「どういうことだ…」
「あの純白の翼は…」
「天女はもう遣わされないんじゃ…」
ざわつく神達に月影は声をあげた。
「この者は二千年前、鬼神・延輝と天女・蓬莱との間にできた子だ。天女の子だ。天界に天女が戻ったのだ!」
賢い神達はすぐに状況を理解し皆が膝をつき礼を取った。
「「「天に感謝を!天女に慈悲あれ!!」」」
その様子を見た後、跪いている気鋭に声をかける。
「気鋭。白蘭は疲れている。部屋を」
「はい。こちらへ」