天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「おい!どこに行く!!ここから出せ!!!」
「私が戻ってくるまで静かにしていなさい」
騒ぐ朱雀を残して隠し部屋を出る。
その足で魔后の宮へ行った。
この時間は魔后の侍女が一番少ない。
そして紅蓮の話をするときは必ず侍女を下がらせるのだ。
「魔后殿下にご挨拶を」
「…玲心か」
魔后が侍女に下がるようにいい。私も双子に扉の前で見張るように合図をした。
「なんだ。また白蘭のことか…?くどいぞ玲心」
「酷いです。魔后殿下。同族ではありませんか」
「ふんっ…同族か」
「ただ共にお茶を飲もうと思い、来ただけです」
「まぁ、いいだろう…」
玲心は魔后の前に座ると優雅に茶を淹れた。
「…どうぞ」
「…」