天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
玲心の様子を伺いなかなか飲もうとしない魔后に玲心は笑った。
「毒なんて入れませんわ。魔后殿下は同族で私の義母上なのですから」
「…そうだな」
ふんっと鼻で馬鹿にしたように笑い魔后が茶を飲む。
そして今度は魔后が玲心にけしかけた。
「それよりも玲心。私のことを思うのならばいつ孫の顔を見せてくれるのか?」
「…」
「私に泣きつき正室の座を手に入れて、もう数年。いまだに正室の宮にも入れず夫にもないがしろにされるとは…」
「そ、それは…」
「これでは婚姻を進めた私の面目も丸つぶれだ。それに魔都では、そなたが身ごもれない病だという噂もあるんだとか?」
「なにをっ」
「噂を否定するのであれば早く孫の顔を見せるのだな…。そうすれば私も安心できるというもの」
扇子で隠しながらも魔后は勝ち誇った笑みを見せた。
それに対し玲心は怒りで拳を震わせた。