天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


「魔后殿下に感謝申し上げます。」

「なんだと?」


今度は魔后が眉を顰め怒りをあらわにした。


「これで心おきなく殺せますっ」


言い終わると同時に玲心が魔后に火炎術を放った。

しかし魔后もすぐに反応し同じ火炎術で防いだ。


「私を殺すのか?玲心…お前にそんな力はない。やめておくんだな」

「さあ、それはどうでしょう」


それから二人の火炎術がぶつかり合う戦いが始まった。

炎が調度品を焼き寝台や高価な衣が燃えた。

しかしその音は炎狐族の二人が結界を張り外に漏らさなかった。


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