天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
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【人間界】


白蘭と別れた後、紅蓮は一人あの川辺で待っていた。


自身の赤い衣を見て微笑む。


あのような可愛い言葉が聞けるのであればどんな衣でも身に纏おう。


これから着る衣は侍女ではなく白蘭に決めてもらうのもいいかもしれない。


衣ひとつでこんなに私を喜ばせるとはな…。


愛おしい。


魔宮で一度白蘭を亡くし、人間界では私を忘れ月影の物になると言った。


絶望的な状況の中、白蘭は再び私を愛してくれたのだ。


もう手放す気はない。天帝や天后、他の神達。誰が反対しようと私は白蘭を必ず正室にする。


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