天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


まあ、皇太子をこれほど待たすなんて白蘭らしいが。


もうしばらく待つか。


それから紅蓮が二日待つも白蘭は現れなかった。


三日目の朝、あまりにも遅いことに腹を立てた紅蓮は家に向かった。


「遅いぞ…まったく」


家に入るも白蘭も月影の姿もなかった。


家の外からでも月影の法術の気配がしていたから、てっきりいるのだと思っていた。


机の上には飲みかけの茶があった。


そして何かが暴れたように壁が血で汚れている。


「なにがあったんだ…」


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