天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
この様子では話し合いは上手くいかなかったのか?
だが月影は決して白蘭を傷つけたりはしないはずだ。
そして白蘭も人間の身である。当然、月影に傷を負わせることはできない。
この術の気配からして月影がここにいたのは明白だ。
湯呑がふたつ残されているから、白蘭もいたことだろう。
どうなっている…。
消えた二人に様々な疑問が浮かぶ。
「皇太子殿下!」
家の外から、名前を呼ばれ出ると香林が立っていた。
「香林?なぜここに?」