天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
何かあれば朱雀が呼びにくるはずだ。
なぜ香林が呼びに来たのか。
「大変です!すぐに魔宮にお戻りください!」
「何があった?」
「魔后殿下が!」
「母上に何か?」
「魔后殿下が、殺害されました!」
…なんだと?母上が。
目の前が暗くなるような思いだった。
「殿下!」
ふらつく紅蓮に香林が手を差し伸べたが、それを制する。
「それは…本当なのか?」
「はい。犯人はまだわかっていませんが…魔帝が死を確認したので確かです」
「そうか…」