天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
魔帝は先ほど目にしていた文に再び目を通し読むと紅蓮に伝えた。
「月影は天帝になった」
「…しかし月影は天界の第二皇子ですよ?皇太子でもない月影にあの天帝が譲位するはずがありません」
「月影は天后を陥れ斬首刑にした後、義弟を牢に監禁し皇太子の座を手に入れ、謀反を起こし父親の首を刎ね天帝になったそうだ」
「そんな!」
善良な月影はそのようなことはしない!
親の愛も皇太子の座も譲るほど無欲な月影だ。そんなことはあり得ない。
「今では戦神である白豹族や天界の民からの指示率は凄まじく、この魔界をも攻める勢いだぞ…そして何より、天女の子を手に入れている」
「白蘭が…?」
「やはり、あの娘か…」