天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

力の暴走

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【天界】


白蘭が目覚めたのは天宮に来てから三日後の事だった。


「…」


目が覚め身体を起こし翼を見る。


翼は以前のような白銀ではなく純白の物になっていた。


…すべて思い出した。


魔界での出来事を…。八咫烏一族の悲劇を…。


病になり私は魔宮で独りになった。かつての友も母親同然だと思っていた人も誰も私の前に姿を現さなかった。


愛していた人でさえ私を避け裏切り翼を斬った。


「っ!白蘭様。すぐに陛下を」


侍女らしき人が私を見ると陛下とやらを呼びに行った。


ここはどこなんだろう。月影が人間界にいたから天界にきたのかしら。


陛下とは誰だろう…。


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