天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



「そ、それは入るわけにはいかないな…ですよね?陛下?」


なぜか気鋭が頬を染めた。

月影は軽蔑したような目つきで気鋭を見る。


「なぜそのような冷たい目で見るんです?…陛下?」

「…黙れ気鋭」

「はい。黙ります。今すぐに」

「…終わったら白蘭を桜の間に案内してくれ」


侍女は一礼し宮に入っていった。


月影は先に桜の間に向かうと席につく。


桜の間は日当たりが良く名前の通り桜が咲いている間だ。


宮の壁はすべてガラス張りで出来ていて、室内にいながらも外にいるような感覚でいられる。


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