天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「さあ、こちらに座るといい」
「ええ」
白蘭が席につくと同時に侍女がすばやく茶を淹れた。
「身体が温まる茶だ。飲んでくれ」
「…ありがとう」
茶を口にする天帝と白蘭をみて気鋭がため息をついた。
「二人並ぶとまるで絵画のようですね。実にお似合いです。」
「…黙れ気鋭」
「はい。黙ります。今すぐに」
白蘭は話さなかった。
何を思っているのかもわからず、月影が話すのを待っているようだった。
「どこから話そうか…」
「まずは私のことから」
「…気鋭。少し黙ってくれないか。いや、もういっそのこと席を外してくれ」
「…はい」
気鋭と侍女を外させた後、月影はゆっくりと今の状況を説明した。
白蘭が実は天女と鬼神の子だったことや、月影が天帝になった事などだ。
白蘭は何も言わず、ただ黙って聞いていた。