天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「じゃあ宮は私に任せて!」
白蘭は法術を使うとあっという間に宮を綺麗にした。
「うわあ!白蘭いつの間にそんなに腕をあげたんだ」
「すごいでしょう?努力のおかげよ」
「…嘘つけ」
「さあ、入りましょう」
部屋に入り兎月と話をする。
天后宮に比べると部屋の大きさは半分にも満たない、それに侍女もいないから茶も自分で入れるしかない。
でも構わない。
天后宮より、こちらにいる方がよっぽどいい。
自分の分と兎月の分の茶を淹れると、兎は熱がりながらも飲んだ。
「天女になったと聞いた」
「ええ」
「たしかに美しくなったし法術も増したが、前の方が良かった」
「どうして?」
「前の方が可愛げがあった」
「失礼ね。今だって可愛げあるでしょう?」