天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
グリグリと撫でまわすと兎は嫌そうにしたが避けなかった。
「ところでなんで兎月だけここの宮にいるの?月影と一緒じゃないの?」
「…色々あったのだ」
兎月は沈んだ顔でそういった。
言いたくないなら私も無理に聞かないわ。
「そうね。色々あったわね…ねえ。兎月、私しばらくここにいてもいいかしら?」
「勝手にしろ」
「ありがとう」
その日は久しぶりに悪夢も見ないで眠れた。