マイペース社長に流されるままに
後日、社長が言った。
「最近、梨奈、変じゃない?」
「そんなことないですよ。」
「嘘。なんか隠してる。俺に嘘つくな。」

「この前、社長が、女の人といるの見ました。
 その日、社長は朝の5時に帰ってきました。
 なんで、ですか?」
「あー、それを気にしてたんだ。ごめん。内緒にしておきたかったんだ。
 海外進出を考えていて、そのサポートをしてくれる取引先の社長さん。
 飲んだら、朝まで付き合わされた。でも、商談は成立することできた。
 ちょうど、明日、会社に来てくれるらしいから、紹介するね。」

 ホッとして泣いた。
「まさか、俺が浮気したと思った?」
「社長が一人で行くなんて珍しいし、女の人だし、朝まで帰ってこないし、何も話してくれなから。信じなきゃって思ってもなかなかできなくて。」
「バカ
「俺には、梨奈しかいないよ。」
ギューっとしてくれた。嘘ついてる目ではなかった。
「疑ってごめんなさい。」
「俺も、不安にさせてごめん。成功したら、梨奈に言いたかった。」
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