マイペース社長に流されるままに

新任社長

　1週間が経ち、9月に入った。

　仕事に行くと、同僚が言った。
「今日から、新しい社長来るらしいよ。」
「あっ、今日からなんだ。
　2世って悪いイメージしかないんだよね。
会社ぐちゃぐちゃになりそう。」

　新しい社長が私の部署に挨拶に来た。

「社長に就任した井上龍磨と言います。
　よろしくお願いします。
　父の想いを引き継ぎつつ、新しいことへも挑戦していきます。ついてきていただけるよう頑張ります。」

『ヤバ。うちの会社の社長なんだ。
　バレないように、ひっそりとしてよ。』

「社長、イケメンじゃん。期待しちゃう。」
同僚が言った。
「そうだね。いい社長だといいね。」