同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
理性が欲望に傾きかける寸前、私の胸から僅かに唇を浮かせた窪塚の意地の悪い声音が放たれ、羞恥心をことごとく煽ってくる。
「見ないでって言う割にはすっげー濡れてんじゃん。本当は視姦されんの好きなんじゃねーの? 鈴ちゃん、やらし~」
僅かに踏みとどまっていた理性がストッパーとなり、意地悪な窪塚にいつもの調子で反撃を返したのだが。
「……ちっ、ちがーー」
「ーーへぇ、こんなになってんのに? じゃあ、もっと鈴のこっちの口もぐちゃぐちゃにして、俺のことを欲しいって、素直に言えるくらい一杯苛めてやんねーとな」
「ーーあっ、や、んんぅーーッ!?」
言い終えないうちに言葉を遮られた上に、下着をずらした僅かな隙から忍ばされた指を根元まで一気に穿たれ、わざと、ぐちゅっ、グチャッ、と淫猥な水音を立てられてしまう。
そして窪塚は、これまで以上に意地の悪さが増した言葉攻めも欠かさない。
この二年という交際期間で、本人である私よりも、私の身体の何もかもすべてを知り尽くしている窪塚のゴッドハンドと唇によって、容赦なく攻め立てられてしまっては、私の反撃など、何の意味もなさないのだった。
窪塚の腕の中で、素肌の胸を曝け出し、窪塚の熱い唇と蠢く舌とで、胸の敏感な処を吸い尽くされ嬲り倒され。
長く節くれだった指では、熱いもので溢れかえった泥濘を絶えず引っ掻き攪拌されて……。
混沌と白んだ意識のなか、窪塚の首に両の腕を絡ませ必死にしがみついたままでいる私は、髪を振り乱し、身体を踊るようにくねらせ、甘く艶めいた嬌声を放つことしかできないでいる。
もうここがリビングダイニングのソファだとか、照明の煌々とした灯りが降り注いでいるだとか、そういうことを気にしているような余裕など完全に霧散してしまっているのだった。