同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
久方ぶりの甘い夜 #5
「////……こ、こらっ、煽るなよ」
私の突飛な行動に驚きつつも、そう言って、上気した端正な顔を余裕なく顰めている様は、心なしか悦に入っているように見える。
手中で生き物のようにビクビクと蠢く窪塚の分身の感触同様に、いい反応を見せる窪塚の姿を前に。
ーーもっともっとよくしてあげたい。
未だにこういうことに不慣れでどうすればいいのかもわからないクセに、そんなことを思ってしまう。
この二年間、こういう場面も数え切れないほど経験してきたとは言っても、いつも窪塚に気持ちよくしてもらうだけで、気持ちよくしてあげたことなんて一度もない。
だって、いつもいつも窪塚にすぐに訳がわからなくされて、余裕なんて根こそぎ奪われてしまっていたからだ。
だから以前から、何かしてあげたいとは思っていた。
それをついに決行したということである。
でも、不思議だ。
今まで、こういう場面で幾度も目にしたことはあっても、いくら好きな相手である窪塚の分身だとは言え、経験の乏しさから、ちょっとグロテスクで直視するのも憚られた。
それなのに、衣類越しではあるが、一度触れてしまったら案外平気で、示してくる反応の一つ一つがやけに愛おしく思えてくるのだから、本当に不思議だ。
こんなことならもっと早くこうしとくんだった。なんて思っている自分がいて、自分でも吃驚だ。
「だって、圭の《《ここも》》、愛おしくて堪んないんだもん。ビクビク震えてて可愛いし」
そしてそれをこんな風に口にする日がくるなんてことも思いもしなかった。
「////ーーッ!? そ、そんな可愛い顔でそんな可愛いこと言われたら、ヤバいだろ。バカ」
いつになく積極的な私の言動に、こういう場面でも恥じらう素振りを見せないはずの窪塚が、赤面して、余裕をなくしていく様が、どうにも愛おしくて堪らない心持ちになってくる。
「あっ、圭ってば照れてる。可愛い〜」
「////ーーッ!!」
ますます調子づいてしまった私は、終いにはそう言って窪塚のことを追い込んでしまっていた。
完全に、形勢逆転。