同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
久方ぶりの甘い夜 #6
いきなり身体を貫かれてしまったけれど、窪塚の容赦ない愛撫で充分に解されていた身体はすんなりと窪塚自身を受け入れていた。
興奮状態の窪塚は、時折苦しげな呻き声を漏らしつつも、私の髪や頬を撫でたり、顔や耳や項に首筋、鎖骨に胸の突起にと、熱い舌や唇での愛撫も怠らない。
特に、座しているお陰でちょうどいい場所に位置するのか、窪塚が腰を揺するたびにふるふると悩ましげに揺らめくささやかな胸の膨らみに対する愛撫が執拗に繰り返されていた。
はじめはツンと主張し紅く艶めいた処を緩急つけて吸っていたのが、舌先で転がしたり、甘噛みしてみたり。
かと思えば、乱暴に揉みしだいたり、指で抓ったり捏ねくりまわしたりというように。
ありとあらゆる愛撫が炸裂していて、興奮状態のせいか、いつもの言葉攻めもなりを潜めてしまっている。
私は窪塚の首にただただ必死になってしがみつき、硬度と獰猛さを増した猛々しい昂りで天を突き上げるようにして抉られ、迸る互いの汗と体液とに塗れて、身悶えるような強烈な快感の狭間で、息も切れ切れに喘ぎながら、彷徨い続けることしかできないでいた。
だからって別に嫌なわけじゃない。
こうなってしまったのも、自分の手により余裕をなくした窪塚の様子に気を良くしてやり過ぎてしまった自分に責任があるのだし。
確かに愛されてるんだと感じられる。
なにより、私の言動ひとつで、こんなにも我を忘れて、一心不乱に私のことだけを情熱的に求めてくれている窪塚のことをこんなにも間近で感じていられるのだ。
こんなにも嬉しいことはない。
けどそのお陰で確信した。
さっきの会話からも、窪塚にはそういう自覚はないようだけれど、窪塚は正真正銘のドSだということがよーくわかった。
といっても、窪塚が初めての相手だし、こういう知識においても皆無に等しいので、なんとも言えないが。
縛りたいとか、ムチで打ちたいとか、そういう類いのハードなものではないようだから、まずは一安心と言ったところだろうか。
それにさっきは、どうしてこんなに苛められなきゃならないのか。なんて思ってはしまったけれど、あれはただ単に、プロポーズされたからというのに加えて、久しぶりだったことで窪塚に甘えたい。という気持ちからくるものだったんだろうと思う。
それを証明でもするかのように、私の言動の所為で理性をなくしている窪塚の様子に、これまでもそうだったように、今は、意地悪な窪塚に翻弄されるのも、悪くはない。むしろ嬉しい。なんて思ってしまっている。
窪塚が正真正銘のドSであるのと同じで、私も正真正銘のドMであるらしい。