同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
なんだ、私たちってば、何もかもピッタリなんじゃない。
お互い初めて同士だし、長年ずっと想い合ってもいたし。
優くんとのこともあるし。
ーーもしかしたら、生まれたときから、こうなる運命だったのかも。
ソファで座した窪塚の怒濤の攻め立てたにより、絶え間なく生まれくる凄まじい愉悦に翻弄され、混沌とした意識の片隅で、私はそんなことを考えて、ひとり胸をときめかせていた。
そんなことをできていたくらいには、この時はまだ、少しばかりの余裕を持ち合わせていたのだろう。
けれどなにやら余裕なさげな声音を漏らしてきた窪塚には、少しの猶予もないらしい。
「こ、こら、鈴。いくら俺のが好きだからって、そんな締め付けんな。まだまだ鈴のナカでいたいのに、イキそうだろ」
「ーーッ!?」
どうやら私は自分たちの相性がピッタリだと喜んでいたせいで、無意識に受け入れた窪塚自身のことを締め上げ、追い詰めてしまっていたようだ。
そう意識した途端、自分の体内で受け入れた窪塚の昂りを喰い締めている感覚を覚え、羞恥で全身がカァッと熱くなる。
けれど咎められたところで、それを自身でコントロールできるはずもなく。
また余裕をなくしつつも『まだまだ鈴のナカでいたい』なんて言ってきた窪塚のことがどうにも愛おしいという想いが熱いものと一緒にじわじわと込み上げる。
「だって、圭のことが……好き……なんだもん。まだまだ、ずっと……ずっと、こうして……たい。離れたくないっ」
ーーこれからも一生、私だけを見ていて欲しい。ずっとずっと永遠に変わらないでいて欲しい。
そんな私の想いが通じたのか、余裕がないながらも、窪塚は同じ想いでいるってことを伝えてくれる。
「バカ。煽んなって。けどメチャクチャ嬉しい。俺も、ずっと離れたくねーよ。鈴、世界で一番好きだ。愛してるっーーあー、くそッ」
その直後、最後の力を振り絞るようにして、呻き声を放った窪塚の怒濤の突き上げが再開され、激しさがどんどん加速する。
広い部屋には、互いの息遣いと窪塚の放つ獣の咆哮のような呻き声と自分の放つ嬌声と淫猥な水音とが響き渡っている。
それらのすべてが作用して、久々に交じり合ったふたりの身体の奥底で静かに眠っていた官能が刺激され呼び起こされる。
凄まじい愉悦に包まれるなか、いつしか身につけていた衣類も脱ぎ捨て何の隔たりなく、深く深く交じり合い、互いの身体を貪りあっていた。
やがてソファの上で四つん這いの格好へとさせられた私は背中に獣のように覆い被さってきた窪塚の逞しい身体に抱き込まれていた。
そうして背後から二つの膨らみを鷲掴んで、何度も激しく腰を打ち付けられて。
パンパンと乾いた打擲音と淫猥な水音とに紛れて、甘い嬌声をもらしているうち、いつしか私は一際高い嬌声を放ちながら絶頂を迎えていた。
「ーーひやっ、あああぁーーッ!?」
「ーーぅッ、あぁッ!」
私の後を追うようにしてほぼ同時に絶頂を迎えた窪塚の放った艶めいた声と精を放つ感覚とを意識の片隅と身体とでそれぞれ感じながら、私は意識を手放したようだ。
ーーこんなにも想い合っているのだから、この先何があったとしても、私たちならきっと大丈夫。
薄れゆく意識のなか、私は意識が途絶えるその瞬間まで、これから歩むであろう窪塚との幸せな未来に想いを馳せていたのだった。