同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
えっと、それって、初恋の相手である私には、いつまでも清いままでいて欲しいって言うことだよね?
もしかして、アイドルとかに抱いている想いと同じって事なのかな?
つまり、いつか幻滅されてしまうかもしれないってこと?
ーーそんなの嫌だ。
ふと冷静になって、考えれば考えるほど悪いものしか浮かんでこない。
胸の中で生じた不安がどんどん膨らんでいく。
私は窪塚の短所も長所も何もかもひっくるめて、全部全部好きだけど、窪塚は違ってたんだ。
膨張した不安が溢れて止まらない。気づけば口からも零れていた。
「それって、圭が私に幻想を抱いてるって事? 私、いつか圭に幻滅されちゃうって事?」
すると私のことを組み敷いている窪塚が怪訝そうな表情になって、それが何かに思い至ったようにハッとした表情に豹変し、大慌てで反論を返してくる。
「ち、ちげーよ。幻滅なんかするわけねーじゃん。そういうことじゃなくてさ。二年経った今でも純で初心な鈴の反応が可愛くてどうしようもなくて。だからこそそれを守りたいって言うか、穢したくないって言うか。兎に角、どんな鈴のことも大事にしたいって事だよ」
なんだかよくわからないけど、セックスとかそういうことに不慣れな私の反応が可愛くて、ずっと今のままでいて欲しいって言うこと……でいいのかな?
だから、フェラなんてさせたくない。綺麗なままでいて欲しい。という言葉に繋がったって事はーー。
「……今のままでも幻滅しないでずっと好きでいてくれるってこと?」
窪塚の言葉を自分なりに噛み砕いて反芻した私の声に、窪塚が即座に答えてくれた。
「あったり前だろ。初心な鈴も、頑固で気が強くて意地っ張りな鈴も、どんな鈴も可愛いし、大事なんだからさ」
なんだか、いいところが初心なところしかないように聞こえなくもなかったが、窪塚にとってはどんな私のことも可愛く見えていて、大事にしたいと思ってくれているらしい。
それは嬉しいことだけれど、素直じゃない私は、少々むくれ気味に窪塚のことをじろりと睨みつつ、可愛くない発言を放つという可愛げのなさを披露していた。
「なんかそれって、私には初心なところしかいいところがないように聞こえるんだけど」