同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。

 直後、そんな私の言葉を耳にした途端に、つい先ほどの卑猥な単語を口にした時同様の黒い笑みを湛えた窪塚から意地の悪いお返しが炸裂することになる。

 まずは手始めにと言うように……。

「なら、鈴のいいところ、今からひとつずつ懇切丁寧に教えてやるよ」

 意地悪くも甘やかな艶のある低い声音を耳元に落としつつ、組み敷いたままの私の髪を一房だけ指にとって絡めると、愛おしそうにチュッと口づけてきて。

「////ーーッ!?」

 いつになく大人っぽい妖艶な雰囲気を醸し出す窪塚の色香に息を呑む私のことを満足そうに眇めた双眸で見下ろしてくるなり。

「さっきまで強気だったクセに、俺の言動ひとつで、こうやってすぐに余裕なくすとこ、メチャクチャ可愛くて堪んねーし」

 蕩けそうな表情でそんなことを言ってきた。

 こんな感じで一つ一つあげられたんじゃ身がもたない。

 これは早々に根を上げて降参した方が賢明だ。

 そう思っていた矢先、再び窪塚の言葉攻めが投下されたと身構えた刹那、窪塚によってぎゅうぎゅうに抱き込まれ、

「他の誰でもない、俺にだけ見せる鈴の何もかも全部が愛おしくてどうしようもねーよ。だからこれからもそーであってもらえるように一生大事にしたいって思ってる。だからプロポーズしたんだからさ、信じてくれよ」

後から窪塚のいつになく真剣な言葉が追いかけるようにして耳だけでなく心に沁みてくる。

「うん、信じる。疑っちゃってごめんなさい」

 私はいつになく素直な言葉を返して、窪塚の背中に両腕を絡めてぎゅぎゅぎゅうっと抱きついた。

 相変わらず自分に自信が持てないせいで、窪塚のことを不安にさせてしまったけれど……。

 これからは何があっても、窪塚のことだけを信じるーーこの想いが窪塚に少しでも伝わるようにと希いながら。

 
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